スリランカに吹く風 Sri Lanka’s Winds

Vol.8『国歌』と『スカウト』

 私はクラリネットアンサンブルの譜面をたくさん持って行き、少女・少年たちは、2重奏、3重奏、4重奏、5重奏とレパートリーを広げて行った。校内行事、地域のお祭りなどいろいろな機会で発表し、地域の方々も楽しく聴いてくださる。

 練習の休憩時間になるといつも何かすてきな曲を楽しそうに吹いている。私が持って行く曲も喜んで吹いているが、それ以上に楽しそうにうれしそうに吹く。「何の曲だろう?」とずっと思っていたが、ある時「何の曲?」と聞くと・・・「国歌です」という返事。「一番好きな曲は何?」と聞くと・・・返事は「国歌」。 「歌ってくれる?」と頼むと、確かにとても美しい旋律。生徒が教えてくれ た歌詞の意味も心に響いた。
 
 「それなら、クラリネットアンサンブルで国歌を演奏する?」と聞くと、大喜び、はしゃいでいる。 正直、私は驚いたが、こんなにも喜ぶならスリラン カ国歌をクラリネット5重奏で練習しようと思った。でも、譜面、どうしよう・・・。誰かアレンジしてくれないかな?・・・と思った時、友人で作曲家の日下部さんの顔が浮かんだ。私は、日下部さんの返事も待たず、「3ヶ月後に来るときに国歌をクラリネット5重奏にアレンジした譜面を持ってくるからね!」と、生徒たちに言ってしまった。またしても大喜び!飛び跳ねて喜んでいる子もいる。帰国する飛行機の中で「帰ったら日下部さんに連絡してみよう・・」「引き受けてくれるかなぁ」
と少し不安だった。日下部さんに会い、スリランカでのことを全て話した。

Mさんからのご要望もあり、その時の私の思いを簡単に記します。

 この時のことはかなり鮮明に記憶しており、確か新宿でお茶をしながらお話を伺った。
当時スリランカが、どのような歴史や風土を持つのか、いや正直、どこにあるのかすらわからなかった。

 でもMさんの丁寧な説明と、『希望に満ちた熱い眼差し』に、翻弄され、一点の曇りもなく快諾させていただいた。※不謹慎かもしれませんが、男性はこの眼差しに、弱いのものなのです。拒否権などありません。

本当に懐かしい。きっとこの後、さらに文章は続くと思いますが、このプロジェクトに参加させていただき、スリランカの子どもたちの思いと行動が、どれだけ素晴らしいものだったか、そして、Mさんとこどもたちの行動が、どれだけ私に元気を与えたか。

管理者より

シーギリアロック Mさん2010年撮影

 シーギリアロックは、スリランカにある世界遺産の中でも特に有名なもの。370メートルを歩いて登ると汗だくになりますが、頂上からの眺めはすばらしいです。かつてここにあった王朝の壮絶で壮大な物語を思うと、時の経つのを忘れます。

フレスコ画 Mさん2010年撮影

頂上にあるフレスコ画。その色(全て植物から抽出したもの)の華やかさにも目を見張ります。