VOL4. 『いつかはクラリネット』
少女達は楽しそうに毎日毎日練習しています。その素直な音に誘われて近くの幼稚園の園児達、約20人が見に来ます。「私もクラリネット吹きたい!」とみんな言っています。でも何せまだ無理。それでも毎日見に来ます。お姉さん達の吹くクラリネットの音が大好き!憧れの眼差しで見ています。それなら、いつかクラリネットを吹く日に向けて、今はまず、ピアニカを練習しようかな? でも20台あまり必要なピアニカ、どうしよう・・・。
そのまま日本に帰国し、しばらくすると「娘が、孫が使ったピアニカ、使って~」と持ってきてくださった友人がたくさんいて、気がつくと20数台のピアニカが集まっていました!どれも丁寧に使っていたのでしょう、とてもきれいです。たくさんのピアニカを持ってまたスリランカ行きの飛行に乗りました。ピアニカを持って幼稚園に着くと、もう大喜び! (写真左)
私が日本に戻っている間の練習のために、まずは先生達にピアニカの演奏の 仕方をお伝えしました。先生達も熱心です(写真中央)
幼稚園で何か面白い事が始まったらしいと、お母さん達が見学に来ました。 (写真右)



『いつかはクラリネット 』- その2
少女達の吹くクラリネットの音をいつも窓から覗き聞いている幼稚園児の中に少年がいることに気づきました。
ある日、この少年と一緒に来たお父さんが「息子がぜひクラリネットを吹きたいと言っています」とおっしゃるので年齢を聞くと9歳。窓から覗いている顔しか見ていなかったのでこの時初めて彼の身長、体格を知ることができました。では、始めましょう!と言いましたが、クラリネットがもう1本必要。
どうしよう・・・。
スリランカで使う楽器の修理をしてくれる日本の技術者に状況をメールで知らせると「わかりました!」の一言。帰国し工房に伺うと、古いけれど見事に調整されたクラリネットを渡されました。それを持ってまたスリランカ行きの飛行機に乗ったのです。 2、3ヶ月おきにスリランカに通っていますが会うたびに少年の身長はどんどん伸びます。
気候は高温多湿。冷房設備のない部屋でレッスンをしているととても喉が乾 きます。暑そうにしていると生徒の保護者がこのココナッツジュース(ココナツの実にポンとナイフを入れストロー刺します)を持って来てくださいます。喉の渇き、身体の熱がスーッと去りとても心地良くなります。
自然の恵みの力です。


