スリランカに吹く風 Sri Lanka’s Winds

Vol.11 『3分45秒の煌めき』

 生徒たちが何より演奏したかった「スリランカ国歌」、日下部さんがアレン ジしてくださった「椰子の実」、アンサンブルの楽しさを存分に味わっているある日、彼女達は小さなコンクールに出たいと言い出した。

 コンクールの要綱に、出場は「私服」でとあった。(私服で出場すると学校名が特定できないため) さて、どんな服装にしたら良いか、演奏する際に着る服を準備するのは容易なことではない。どうしよう・・・と考えながら日本に戻った。 帰国し、洋裁の仕事をしている友人にそのことを話すと「服の型紙だけ作っ てあげるから現地へ持って行って、お母さん達に生地を調達してもらい縫ってもらえば?」と言われた。普段はウエディングドレスなどのドレスを縫っているだけあり友人は簡単だけれど素敵なデザインの服の型紙をくれた。 それを持ってまたスリランカへの飛行機に乗った。お母さん達に型紙を見せると、「これなら縫える!」と言い、安いけれどきれいな色の生地を探してきた。数日後、お母さん達が作ってくれた素晴らしい演奏用の服が完成した。

 地区の予選を通過し、(スリランカ第一の都市)コロンボで行われる本選に進んだ。彼女達は一番遠くから参加したグループだった。
そして優勝してしまった!!!

本選の翌日、入賞者のお披露目演奏の際、彼女達が「国歌」を演奏し出すと会場の人々が一緒に歌い出した。それぞれの民族がそれぞれの言葉で歌っていた。

つい3年前まで内戦下にあったこの国で起きたこの3分45秒間の出来事は忘れることのできない思い出である。