スリランカに吹く風 Sri Lanka’s Winds

Vol.10 『椰子の実』

 生徒たちは毎日自分たちでいろいろ工夫しながら練習を進めて行った。彼女たちの意欲に圧倒され、私はただうれしく見ているような状態だった。
時々、練習の進み具合を録音して日下部さんにメールで送った。すると日下部さんから唱歌「椰子の実」をクラリネットアンサンブルにアレンジした譜面がメールで届いた。

私はこの曲の歌詞の内容を生徒たちに伝えた。「日本語で歌ってほしい」と言われ、歌って聞いてもらった。

「ふるさとの岸を離れて・・」の部分、

生徒の一人が、
「この「椰子の実」は、スリランカから日本へ流れ着いたのだと思う」と言った。

 私はその生徒の思いがとてもうれしかった。そして同意した。人間の思いをはるかに超え、いろいろな物、事柄がつながっているのだと深く感じた。 

 高温多湿の中、いつも渇きと暑さを和らげてくれる椰子の実のジュース。
そしてこの国では椰子の実の果肉はもちろん全ての部分が生活に使われている。

ヤシの実のジュース
2013年8月 スリランカのバティカロアにて 「スリランカ国歌」撮影:筆者